2009年8月24日月曜日

椎名誠さんに焼き鯖せんべい汁味噌味











それなりの天気だった
8月22日の土曜日は、「椎名誠と行く!! デジカメ片手の種差海岸 みちくさトレッキング2009」。

汁"研スタッフとして
白浜海水浴場での昼食会に提供する「焼き鯖せんべい汁味噌味」仕込みに午前中から参加する
と言っても、鯖の達人・谷口圭介さん八戸ニューシティホテル板長)が材料を仕込み、あとはせんべいを入れて煮込むだけ。
昨年参加した「なかちっぱ」さん、森君、福田君という汁"研の強力メンバーがいるので、配膳までは、ビーチのーファーやビキニの女子たちを、にやけ顔をおさえつつ「フムフム」と眺めているだけである。
昔は、というと年寄りじみているが、お盆を過ぎたら海に入るなと言われていたが、思ったよりは海水浴客が多い。


スタッフ含めて140名ほどの参加者が、昼食会場に到着したのが、
予定を過ぎた午後1時半。
「虎鯖棒すし」、イワシとひえ飯、キュウリの漬物、そして焼鯖せんべい汁を配る。
オリジナルTシャツにこの昼食が付いて、参加費2000円は、かなりお得なイベントではないか。
せんべいと焼鯖をちょうどいい具合にプラ丼に入れるのは、なかなかに難しい。
盛りが少なかったり具が少ないと、受け取るお客さんの目がビミョーに恨みがましく感ずるのは気の
せいか。
その時は「お代わりできますから」と言い訳がましく、付け加える。

隣の
「虎鯖棒すし」ブースの谷口板長夫人が手伝って下さって大いに助かった。
前日、椎名さんが八戸ニューシティホテルに「棒寿司」を食べに来たと言う。


の椎名さんは毎日新聞社から「ナマコのからえばり」という本を出している。
何で「ナマコ」なのかというと、「シイナマコト」の間の文字を取ったという。
さすれば小林眞市長はシマコ、などと不謹慎な連想をお許し下さい



ずっと以前になるが「今、最も男らしさを感じる人は?」と同期の女性に質問して、返ってきたのが椎名誠という作家の名前。
それ以来、椎名誠さんには、かすかな嫉妬心を抱いているのだ。


昼食終了後、種差に向かって出発する一行を見送って撤収。
隣のブース「虎鯖棒すし」は勿論、青森スタッフの堀江さんが持参した「キュウリの漬物」もおいしくて、それらをお土産に頂戴したのはナマコに幸運であった。

2009年8月15日土曜日

説明したって

館鼻の朝市に行って、いつもように鮫の山本さんの「えあー」のテントに顔を出し、花火大会の話をしていたら、オードブルの注文が入っていると言う。
高台にある家で家族が集まって見るのだとか。
2階にあるぼくの部屋から海も眺められるので、それならついでに一皿作ってもらえないかと頼んで、それで今夜は過ごすことに決めた。
それからボートアイランドで開催している「みなと博ランカイ」に、カメラをぶら下げてうろつき、シャーク号で港内周遊している頃にすっかり雨模様。
夕方5時に、店に大皿を受け取りに行く車中のBe FMで、花火大会の延期を聞いた。
でも、まぁ「えあー」さんの料理を食べられるのだから、それはそれでラッキーだった。


と書いてからすでに1週間。
私的に人生の大変があったので、その始末に追われてしまった。
何が大変かは、あまりに個人的だから記さないことにする。


WEBに名言として、ベストセラーになっている村上春樹さんの『1Q84』の「説明しなくてはわからないということは、説明してもわからないということだ」が引用掲載されていた。
思わずぼくはぱたりと好男子のように(講談師のシャレなんです)ひざを打ったのである。
同じことをぼくは、「話せば分かる人間というのは、話さなくても分かるし、話さなければ分からない者は話したって分からない」とくどくど、くどくどと言い続けてきた。
しかし納得してくれた人はほとんど少なかったし、ビミョーに「引かれて」いた。


先達の思想家として一方的に私淑している内田樹さんのブログ(内田樹の研究室 http://blog.tatsuru.com/)にもクロスする内容のコラムがあった。

内田さんが繰り返し語る教育論において、学ぶ力とは、おそらく自分にとってこれから世の中を生きていく上で大事になるだろうこと、を感じとっていく力だと言う。
損得抜きで、親にも先生にも説明できないんだけど、どうしても学びたいと感じることがあったとしたら、それはすでに学びが始まっていて、その「機」をとらえることが学びの要であり、学ぶ力とは、自分にとって何が大事になるのかを、おそらく無意識の領域で感じ取って選択していく力だ。
学び始める人間は、どうして自分はこれを学ばなければならないのかを言うことができない。
「まだ知らないことを先駆的な仕方で知っている」という人間の潜在的な能力が社会に必要であり、それを身につけることが学習のキモである。
しかし、現代の教育システムでは、これを学べばいい大学に行って、いい就職ができて、安定的に幸せになって儲かりますよ、と買い物と同じように結論と行動が結びつくような損得勘定で誘導する。
すでに答えが出ているようなものは学びではなく計算であり、本来の学ぶ力を育むことはできない——と先生は言うのである。
(違っていたらゴメンナサイ。…というようなことを内田先生はよく書くので見習います)


世の中の多くのことは逆説的である。
画家は、自分が描く絵がどのようなものかは分からない。
小説家は、作品がどのような結末になるのか知らない。
しかし、はっきりと分かっているから創作を始めるとも言える。
リアルなイリュージョン(実体のある幻想)とでもいうべきものをつかみ取る能力が、生きていく上でとても大事なのだ。
そういえば、「大切なことは目に見えない」って星の王子様が言っていた。


そんなことを2009年のお盆に考えたり、思ったり。

2009年8月7日金曜日

老レスラーの居場所

パラダイムシフトのパラダイムとは「常識」ということで、今の世界の常識が変わるということだと、言っていたのは誰だったろう。
単純化することが全ていいとは思わないが(単純化することでこぼれ落ちる意味もあると思うから)、意味を大きくつかむ上では必要だと思う。
現代のように情報があふれかえっている世の中では特に。
その類で言えば、アイデンティティって「居場所」ということだと考えていた。

映画
「レスラー」ではミッキー・ロークが演ずる老レスラーが「おれの居場所はここだけだ」と命を賭して最後のリングに立つ。
心臓疾患でプロレス復帰に死を宣告されている老レスラーは、疎遠だった一人娘とつかの間、よりを戻すが、結局は完全に縁を切られてしまう。
顔見知りのストリッパーに抱く恋心も実らず、心のよりどころを
完全に失った彼が帰るところはリング以外のどこにもなかった。
娘からののしられて返す言葉もないミッキー・ロークの切なさは、娘一人をもつぼくには身にしみた。

人は誰もが居場所を求めてさまようが、というと昔のフォークソングの歌詞みたいだが、
閉塞的な今の日本、居場所のなさ(精神的、社会的)にあてどなくもがいている人は多いだろう。
おりしも酒井法子(あやうく酒井和歌子と書くところだった)さん失踪のニュースがあるし。
プレーボーイで二枚目俳優だったミッキー・ロークの傷だらけの老レスラー役、ストリッパー役のメリサ・トメイの文字通り体をはった演技に対し、どちらも主演助演のアカデミー賞にノミネートされた。
ストーリーは悲劇的だが、かすかな救いを感じるというのは、誰もが抱く深い孤独を表現してくれているからだろう。
映画の中で、ストリッパーが老レスラーに「パッション」(キリストの受難の映画)と同じねと、色っぽくレスラーに話していた。

2009年8月5日水曜日

長横町で右田さんと









三社大祭が昨日の後夜祭で終わった。

天気には恵まれなかったが、土日曜日に開催期間が重なったことなどで、人出は多かったような気がする。
お還りの3日の夜に、長横町恒例の「のんべ祭り」が行われた。
参加店の中から5軒を選んだ全12コースのうち一つを選び、スタンプをもらいながらハシゴする。
各店ドリンク1杯におつまみが付いて、回り終えたらくじ引き抽選。
これで参加費が3千円というのだから、横丁を知るには絶好のイベントなのである。
酒は苦手だけれど、仕事とあればやむを得まい—とスタッフ一同出かける。

屋台村からやぐら横丁、ゆりの木通り、ムーンプラザ、昭和通りと各店とも個性的だったし、サービスも良く楽しめた。
抽選会では、スタッフとっちが三等賞も当てたし、そこで帰っても十分面白かったのだけれど、他のスタッフが気になって仕方ないというれんさ街のバー「プリンス」に立ち寄った。
以前、取材で伺ったことのある、古くからあるオールドスタイルの酒場である。
カウンター席に腰掛けジンフィズなどを飲んでいるうち、隣の関西弁のお客さんに気がついた。
大阪の鯖寿司専門店「鯖や」の右田さんのご家族だった。
昨年10月に「八戸前沖サバ」ブランドの起ち上げ時に、右田さんにインタビューしたことがあった。
「八戸に来て初めての取材だった」とおっしゃっていたけど、その記事は結局いろいろあって出ていないのだが、その時、右田さんは「たまたま市場でためしにと買った八戸のサバのその脂の乗りに感動したもん」と言った。

その「感動した」という話に逆にぼくもものすごく感動した。

この前沖サバは、関西人をうならせるほどすごかったのかという今更ながらに思った。

末席に参加している八戸せんべい汁研究所も同じだけれど、あまりに日常的なので気づかない価値が自分たちの古里にはあるのだと、あらためて認識した。
あれから右田さんは、ほぼ月1で八戸を訪れて、必ずここに寄っているのだとか。

昭和感が満載のお店のムードと、まだ30歳代半ばの右田さんとの組み合わせは意外だったが、よくよく考えれば何も不思議なことではなかったのかもしれない。

横丁の魅力の一つは、やっぱり人との出会いの場だということだ。

2009年8月3日月曜日

ブログこわい

初めてというのは緊張するもので、今ちょっとブログこわい。
インターネットが普及し始めた当初、初めてのメールで送信ボタンを押す時が少し怖かった。
あまりにあっけなく、えっ、これでもう送られたの? と大したこともない内容に心配したり後悔したり。
インターネットショッピングもそう。
詐欺ではないか、
法外なぼったくりの請求が来るのではないかなど、無用の心配をしたものだ。
今は平気で書店で見つけにくい雑誌もamazonに注文している。
「ROCKN' ON JAPAN 忌野清志郎」など、そうやって手に入れた。
ケータイメールもそうだったしね。
そのうち慣れてくるんだろうから、
今の初(うぶ)な緊張感を味わっておきたい。

観光データ調査のため、ご挨拶がてら朝市の関係者からお話をうかがう機会が多い。
話題が横道にそれてしまうことがままあって、それはそれで大いに興味深く、朝市を開催するきっかけとか、運営上のトラブルやエピソードなど、ご本人の了解の上でだんだんに紹介していき
たい。